日本で子供をバイリンガルに育てる方法

お子さんをバイリンガルに育てたかったら、できるだけ早く、お子さんが生まれてすぐにでも、バイリンガル環境で育てると効果的であることが研究でわかっています。

日本のように、モノリンガル(1つの言語しか喋らない)の国で育つと、たとえ片親が他の言語(ここでは、英語としましょう)をしゃべれたとしても、バイリンガルに育てることは容易ではありません。

この場合、いちばん効果的なのは、片親(日本語のネイティブ)が日本語を、もう片親(英語のネイティブ)が英語で子供に話しかけることです。
子育て中は一貫してそのようにすることで、日常会話程度なら、これで十分です。

また、バイリンガル教育の第一人者である中島和子先生が著書「バイリンガル教育の方法 12歳までに親と教師ができること」で書かれているように、両親がネイティブ・スピーカーでない場合でも、バイリンガルを育てることは難しいですが可能です。

しかし、「でも、ここは日本だし、うちは夫婦とも英語を話せないし、どうやって日本語と英語のバイリンガルに育てればいいんでしょう?」という方が、大半ではないでしょうか。

英語ができる親御さんも、英語ができない親御さんも、これから紹介する方法でバイリンガル子育てに挑戦してみてください!


英語教育を子育ての中心にする

子供をバイリンガルに育てたかったら、そう思っているだけではなく、今日、今から行動してください。
日本でバイリンガル子育てをするということは、毎日、それを意識していないとできないことです。
なんとなくやっていると、なんとなく終わってしまい、子供はすぐに英語など忘れてしまうので、何の役にも立ちません。
その間の親の苦労も子供の時間も無駄になってしまいます。
また、バイリンガル育児は、一度始めたら約18年間続けるわけですから、よほどの覚悟が必要です。

「英語の勉強」はしない

本当のバイリンガルに育てたかったら、英語勉強させてはいけません。
英語を使って何かをする、英語を使って何かを学ぶ、という行為を通して、初めて英語が身につくようになります。
つまり、英語遊んだり、英語勉強するのです。
そのためには、親御さんが様々な工夫をしてお子さんの興味を伸ばしてあげることが大切です。
これは、母語である日本語の能力を高める上でも大切なことですよね。

英語で話しかける

「だから、私は英語が話せないんですって!」というお父さん、お母さん。
今は話せなくても大丈夫です。ただ、お子さんと一緒に英語を学ぶ姿勢が大切です。
子供は吸収が速いので、すぐに追い抜かれてしまう可能性は大ですが、追い抜かれてしまってもいいので、とにかく親も英語に興味を持って日々学びましょう。

もし、もともと親御さんの英語力が高い場合は、家の中での親子の会話は全て英語にしてしまっても良いと思います。
訛りなど気にせず、どんどん話しかけてください。
この場合、日本に住んでいれば、子供は外で日本語を学んでくるので、日本語の遅れは心配ないはずです。

ただ、いきなり英語で全部話しかけるとお子さんが混乱してしまい、最悪の場合ぼーっとして無反応になったり、カニングハム公子先生の研究で知られている、うつろな目をしてふらふらする「ぼうふら現象」が起きてしまうので、注意が必要です。
徐々に英語での会話量を増やしていくなど、お子さんと健全なコミュニケーションができるよう、工夫をしてみてください。

もし、親御さんの英語も発展途上の場合は、「火曜日と木曜日は英語のみで会話する日」とか、「子供部屋にいるときは英語で会話する」とか、「おやつの時間は英語で会話する」とか、「英語の教育番組を一緒に見ている時や、英語の絵本に触れている時は、英語で会話する」などのルールを決めて、必ずそれを厳守させるのが効果的かもしれません。

この場合、完全な英語環境にしない理由は、親子間のコミュニケーションが継続して上手くとれない状況になってしまうことで、お子さんの精神面での発達や親子間の関係に支障をきたす可能性があるからです。

英語の歌をかけっぱなしにする

子供は歌から英語の発音や様々な単語を学びます。
車の中での移動中や、お絵描き中など、意識して英語の歌の音楽をかけるように心がけてみてください。
同じ歌を繰り返し聴かせると、そのうち気づいたら一緒に歌っているはずです。
飽きないように、定期的に CD を入れ替えてくださいね。

バイリンGuru では、「お歌」のページで、英語圏の子供達に長年親しまれている童謡や手遊び歌の紹介をしていますので、参考にしてくださいね。

英語の絵本の読み聞かせをする

1日5分でも15分でもいいので、とにかく英語の絵本の読み聞かせを習慣にしましょう。下手な発音でも大丈夫です。
お子さんと一緒に読む前に、いちど自分だけで読んでみて、わからない単語や発音をネットや辞書で調べてみてくださいね。

バイリンガル児を育てるにあたって、両方の言語での本の読み聞かせはおそらくいちばん大事なことです。
本棚の、子供が手の届く位置に本を置く、本を定期的に入れ替える、の2点に気をつけてみてくださいね。
本に関しては、出費を惜しまず、欲しがるだけ買い与えてあげてください。

バイリンGuru では、「絵本」のページで、英語圏の子供達に長年親しまれている質の良い英語の本の紹介をしていますので、参考にしてくださいね。

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図書館を利用する

日本国内の図書館にも英語の本が置いてあると思うので、図書館も上手く利用しましょう。
英語の CD や DVD も置いてある可能性が大です。大いに活用してくださいね。

Library

英語の教育番組を見せる

NHK の教育番組やアンパンマンに夢中になる子供が多いですが、日本語の教育番組の代わりに、英語の教育番組等を見せましょう。

その際には、日本で作られた日本人向けの英語の教育番組よりも、アメリカなど英語圏で作成された、ネイティブスピーカーの子供向けの教育番組をおすすめします。
日本で作られた英語の教育番組は、かなり初級者向けなので、ちょっとした単語やフレーズを学ぶには良いかもしれませんが、そこ止まりになってしまいます。
これは、平均的な日本の子供をターゲットに作られているからです。
そして、平均的な日本人(子供・大人含め)の英語力はみなさんよくご存知のことかと思います。

日本のアニメを知らないと、幼稚園で他のお子さんと話が合わなくなるのでは、と心配されるかもしれませんが、バイリンガルを育てるということは、そういうことなのです。
他の子達とはちょっと違った個性を持った自分のお子さんを誇りに思う気持ちで頑張ってくださいね。

はじめて見る TV 番組として、アメリカのちびっこに一番人気のあるのは、何と言っても「Daniel Tiger’s Neighborhood」ですね!
年齢が上がるにつれて、ディズニーの映画なども見せてあげると楽しいかと思います。
日本で売られている DVD には英語の音声と字幕も入っているはずですので、大いに活用してください。

ちなみに、バイリンGuru は、何十万円〜100 万円もする高価な幼児英語教材を一括で買う必要はないと思っています。
日本では、ディズニー英語システム(DWE)が大人気で、それなりの効果を得ているお子さんもいるようですが、
幼児英語教育の手段はそれだけではありません。
右習えでみんなと同じことをするよりも、親御さんが工夫してバラエティーに富んだ教材を選んであげてくださいね。
そして、浮いたお金で質の良い英会話教室に継続して通ったり、一度でも良いので、英語圏に親子留学をしてみてはどうでしょうか。

バイリンGuru では、「プログラム」のページで英語圏で人気の子供番組や教育番組を紹介していますので、参考にしてみてくださいね。



英語話者のコミュニティに参加する

英語話者のコミュニティのイベントに参加したり、英語での子育てサークルなどに積極的に参加するようにしましょう。
もし近所にない場合は、自分から作ってしまうのも手です。

アメリカに駐在員としていらしたご一家の例を挙げると、日本に帰国するまでに 1 歳のお子さんをできるだけ多くの生の英語に触れさせるために、お母さんが中心となって英語の絵本の朗読会(ストーリータイム)を図書館で定期的に開催していました。
その方は、日本人と結婚されているアメリカ人の方に、本の朗読をお願いしていました。
(補足: 駐在員の方は滞在期間が決まっているため、アメリカ永住組が日本語教育に熱心なのとは対照的に、英語教育に熱心な方が多いようです。)
日本でも同じようなことをされている方がいるかもしれないですね。

集団でのストーリータイムは、一回一回の効果はとても薄いですし、お子さんは朗読に全く興味を示さないかもしれませんが、同じ目標を持つ他の親御さん達とのネットワークを作る場として大いに活用できると思います。

この場合、ご家庭での本の読み聞かせなどで事前にお子さんを英語にある程度触れさせておくことがとても重要です。
というのも、子供はある程度の年齢を過ぎると、いきなり全くわからない言語を喋る集団に放り込まれても、単に混乱してしまうだけだからです。

アメリカ育ちの日本人でも、日系のプリスクールなどに通っていると、幼稚園(5歳)に入った時に現地の子供に馴染めなくて苦労する子が多いそうです。
英語を話すお子さんの集団も、自分たちの言語を解さない子を受け入れない可能性があります。
そのため、英語話者の子供達の中に入っていくための、足がかりとなる英語力を、ご家庭であらかじめつけてあげてくださいね。

年に一度は英語圏に旅行する

家計が許す限り、ご家族で英語圏への旅行をしてみてください。
機内でのアナウンス、街で見る英語の看板、レストランでのウェイターとの会話、すべてが子供にとっては新鮮で、学ぶことがたくさんあります。
お子さんにとって、「英語は実際に使えるものである」ということを知ることは、英語学習へのモチベーションを保つ上でとても大切です。

Travel

現地の英語学校やサマーキャンプ等に参加できると最適ですが、予算がない場合は、
現地の公園めぐりや動物園・水族館めぐりなど、子供達がたくさんいるところに行きましょう。
子供同士はすぐに友達なってしまうので、きっといろんな単語やフレーズを学べます。

また、ツアーを申し込む場合は、現地の英語ツアーに申し込みましょう。
はじめは一家でちんぷんかんぷんかもしれませんが、気を落とさず続けましょう。
きっとそのうち、子供達の英語が旅の手助けになる日が来ると思います。

ホストファミリーになる

もし、家に空き部屋がある場合は、外国人のホストファミリーになってあげてください。
たとえその人が英語のネイティブでなくても、日本語を学ぼうという外国人は大抵英語もできます。
長期的、または定期的に外国からのゲストを家に迎えることで、お子さんの世界も広がるし一石二鳥です。
ホストする側としては、文化の違いにはじめは痛い思いをするかもしれませんが、お子さんの視点に立って長期的な目で見てあげてくださいね。

英語のゲームをさせる

海外に住む日系人は、日本語よりも英語がどんどん強くなっていくという、日本に住むバイリンガルとは逆の問題を抱えています。
そんな彼らの中で、日本語と英語の能力をほぼ同等に高い水準で保っているバイリンガルの人は大抵、ゲーマーです。
日本は任天堂やSONYなどのお陰でゲーム業界が進んでいるため、日本からゲーム機とゲームを輸入して楽しみながら日本語を学んでいるわけです。

以上の理由から、日本語環境に住んでいても、英語でゲームをさせると英語が確実に伸びる思われます。
しかし、ここで注意が必要です。
同じゲームソフトでも、英語版のものは英語圏で売られているゲーム機でしかプレイできません。日本語版のものも同様で、日本の機材でしかプレイできません。
例えば、Nintendo 3DS のソフト、「とびだせ どうぶつの森」の英語版のタイトルは「Animal Crossing」ですが、「Animal Crossing」は、日本で売られている Nintendo 3DS 機材ではプレイできないため、英語圏で売られている Nintendo 3DS 機材が必要です。

これはかなり高額な出費になってしまいますし、まずはじめに子供にゲーム機を買い与えること自体に親御さんたちのご意見が分かれると思いますが、もしゲーム機を買い与えるのなら、アメリカのアマゾンなどから機材やソフトを取り寄せるのも一つの手だと思います。

この場合は、日本語の機材を別途買い与えないでください。「英語でしかゲームができない」ことが重要です。
「ゲームをする道具としての英語」として、英語力がうなぎのぼりになることは確実です。



これは、家庭でゲーム機を禁止したら、子供がパソコンを使って独学でプログラムを書いて自分だけのゲームを作ってしまった、というような話に通じるものがあると思います。

お子さんの興味を上手く利用して英語力を上げましょう。

インターナショナルスクールに通わせる

バイリンGuru は、日本のなるべく多くの人に英語をしゃべれるようになって欲しいという願いを込めて作られています。
誰もがインターナショナルスクールに通えるわけではないので、このオプションは最後に持ってきました。
英語を手っ取り早く習得し英語力を維持するには、日本においては最適の環境だと思います。

日本語教育をおろそかにしない

最後に、母語である日本語教育の大切さについて。
ダブルリミテッドという言葉をご存知でしょうか?セミリンガルとも呼ばれますが、どちらの言語も年齢相応の言語能力が付いていない場合に使われます。
実際に、ダブルリミテッドはよくある問題で、バイリンガル教育が敬遠される大きな理由の一つです。

バイリンガル教育研究者たちは、子供の知的発達の基礎である母語をしっかりと育てることの大切さを強調しています。日本語を母語とする日本人は、日本語の基礎がしっかりとしていて初めてしっかりした英語力を手に入れることができます。
英語以上に日本語を大事にしてくださいね。


いかがでしたか?
大切なのは、「子供をバイリンガルにしたい!」という親御さんの決意と、そこから出る努力です。
バイリンGuru がそのお手伝いになれば幸いです。


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