バイリンガルの利点

バイリンガルの利点は、単に2カ国語でコミュニケーションが取れるというだけではありません。
バイリンガルに育つことで、子供の脳には大きな変化があり、思考の柔軟性や適応能力の高さなど、ほとんどの場合、その影響はポジティブなものです。
また、認知症などの病気の発病を遅らせたり、病気の進行を遅らせるなどの医学的な研究結果も出ています。

Brain

ここでは、バイリンガルであることの利点について、医学研究・バイリンガル研究の結果なども交えて、幾つか紹介したいと思います。


思考が柔軟になる

バイリンガルは、思考や視点が柔軟であることが、様々な研究で明らかになっています。
それは、一つの物事に対し、複数の表現方法や視点があることを知っており、常に頭の中でその切り替えを行っているからです。
そのため、思考の柔軟性を必要とする特定の問題を解く能力に非常に優れています。

適応能力が高くなる

バイリンガルは、場所(文化)や言語によって人格や視点を切り替えることができると言われているほど、
場所や相手に自分を適応させる能力を持っています。
そのため、状況に応じて自分を適応させる能力が高いと言われています。

知能が高くなる

バイリンガルは、認知機能が高いので、問題を解いたり、計画したりすることに優れています。
これは、上記でも説明した通り、言語の切り替えを常にしていることが、総合的な脳の運動になっているからと考えられます。
そのため、バイリンガルは思考が俊敏で、マルチタスクに強く、よって、頭が良いと考えられます。
過去の大規模かつ長期的なバイリンガル研究では、バイリンガルの子供はモノリンガル(一つの言語飲みしゃべる)の子供よりも平均的に学力が高いことが証明されています。

記憶力が良くなる

ここまで読めば既に、バイリンガルの脳がバイリンガルでない人に比べて優位であることがわかると思います。
これは、記憶力にも当てはまり、バイリンガルは記憶力が良いと言われています。

Chess

記憶力が良いことは、認知レベルでの恩恵以外にも、社交レベルでの恩恵(人の名前を覚えるのが得意など)もあります。
また、バイリンガルは優れたリスナーであることもわかっています。

記憶力が良いだけでは頭が良いとは言えませんが、思考の柔軟性・俊敏性と合わせれば、最強と言えるのではないでしょうか。

より多くの人とコミュニケーションを取ることができる

バイリンガルだと、例えば日本で育ったとしても、日本の外にいる人と直にコミュニケーションを取ることができます。
普通に生活していたら接することのない人たちとコミュニケーションが取れることで、世界が広がり、異文化や様々な考え方に触れることができます。
異文化を高く評価し、自分の文化を客観的にも見ることができるなど、人としても大きく成長します、

また、単にコミュニケーションを取れるというだけではなく、母国語でのコミュニケーション能力はバイリンガルでない人に比べて高く、 ボキャブラリーも豊富なことがわかっています。

他者の気持ちがわかる

バイリンガルに育った子供は、相手や場所によってどちらの言語を使えば良いか決める訓練を小さい頃から自然にしているため、 他者の心理を行動から想像・理解する能力に長けていると言われています。
社交性・感情面のスキルが高いわけですね。
他者の心が読めるということは、共感したり感情移入をすることも得意なのではないでしょうか。
相手の気持ちを汲み取り寄り添うことができる、心優しい人間に育ってくれそうですね。

文章の読解力が高くなる

英語圏におけるバイリンガル研究では、英語と外国語のバイリンガルは、英語のみのモノリンガルよりも読解力が高いことがわかっています。
これは、2 言語を学ぶことで、一般的にどのように言語が機能しているかという理解がより高くなるからのようです。
ちなみに、この能力は、「metalinguistic awareness」(メタ言語意識)と呼ばれます。
「メタ言語意識」とは,意味とむすびつく言語形式や構造,機能に向けられる意識的な内省であり, 言語を客体化して分析し運用に応用することができる能力を言う。 ここで言う言語の構造とは,音韻,形態,語彙,統語,談話など様々なレベルを網羅する。 例えば,メタ統語意識 (metasyntactic awareness) は,非文の判定や訂正ができるかどうかの能力を示す。
母語 (L1) の獲得にともないこのメタ言語能力も発達するが,外国語 (L2) に接することによりさらに意識化が促進すると言われている。
面白いことに、たとえ完璧なバイリンガルでない場合(英語に比べて母語の方が強く、英語の能力が平均より低い場合)でも、英語の文章の読解力は、英語のみ話すモノリンガルと同等であったという研究結果があります。
たとえ英語の語彙量は少なくても、一般的な文章の構成の理解能力が高いため、パズルを解くように文章を読み解くことができるようです。

仕事のチャンスが増える

バイリンガルであることが武器になるキャリアは多種あるので、仕事をえる機会が増えます。
様々な職種が機械化されて行っていますが、翻訳や通訳に関しては、人工知能が完璧に処理できる日はまだ遠いと思われます。
それだけ言語というのは複雑で、会話や文章の内容は、文化背景や人格や文脈に左右されやすく、複雑なのです。
逆に言えば、バイリンガルの脳はそれだけ複雑なタスクを常にしているわけですね。頭が良くなるはずです。

アルツハイマーなどの認知症を遅らせることができる

歳をとると、認知症になる確率が高くなりますが、バイリンガルだと、認知症になる年齢を5歳ほど遅らせることができるという結果が出ています。
もちろん、バイリンガルとて認知症になることを完全に回避することはできませんが、これは大きな違いです。
バイリンガルと認知症の関係に関する研究は世界中の研究者が行っており、同じような研究結果が出ていることから、これは確かな事実です。

また、バイリンガルのアルツハイマーの患者は、バイリンガルでない患者に比べて高い認知機能があることがわかっています。



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